術後臭

手術方法は、剪除法だった。
日帰り手術で、
1週間ほど脇を動かさないように、
安静にして過ごした。

重いものも持たないようにしていた。

当時は、
「やっと臭いから解放される」
そう思えて、
嬉しさでいっぱいだった。

けれど、
1ヶ月ほど経った頃。

脇ではないところから、
変な臭いが、
私の体のどこかから
漂ってくるようになった。

どこなんだろう。
なぜ、こうなった?
え?
手術したのに、どうして?

必死でネット検索をして、
「術後臭」という言葉を見つけた。

2ちゃんねるなどに書かれている
術後臭の体験談を、
血眼になって読み漁った。

そして、
私は確信した。

――これは、術後臭だ。

ネットで調べたクリニックの医師は、
「術後臭はない」と言っている。

けれど、
私の体には、
確かに違和感があった。

術後臭については、
いくつかの説がある。

ひとつは、
手術はしたけれど、
完全には取りきれず、
脇からまだ臭いが出ている、という説。

もうひとつは、
脇ではなく、
他の部位から臭いが出ている、という説。

私の場合、
手術後、
脇からの臭いは、
明らかに出ていない。

だから私は、
「取りきれなかった」という説ではなく、
脇以外の部位から
臭いが出ている、
というほうだと感じている。

実際、
臭いを感じる場所は、
脇そのものではなかった。

それでも、
手術をしたという事実があるからこそ、
「なぜ?」という違和感は、
長い間、消えなかった。

体に傷をつけて、
高いお金を払って。

私は、
馬鹿なことをしたなぁと、
後悔しかなかった。

それが、
当時の正直な気持ちだった。