40代 ― 手放したものと、取り戻したもの

40代。
私は離婚をした。

子どもがいなかったこと。
そして、お互いの愛情がなくなっていたこと。

別れを切り出したのは、彼の方だった。
きっと、彼女でもできたのだろう。

内心、ホッとした気持ちがあったのも事実だ。

彼は、これから若い女性と一緒になれば
子どもを授かることもできるかもしれない。

私は、結婚生活には向いていなかったのだと思う。

そうして、
一人暮らしを始めた。

当時接客業をしていた私は、
やはりワキガのことが常に気になっていた。

離婚の際、
慰謝料を少しだけ受け取った。

これまでの人生の大半を
ワキガの悩みに費やしてきた私は、
このお金を使って
手術を受けることを決めた。

クリニックに行き、
説明を受け、
手術をすることを選んだ。

日帰り手術だった。

術後は一週間安静とのことで、
事前に食料をしこたま買い込み、
自宅で静かに過ごした。

手術後、
脇からは何も臭いがしなくなった。

「何も臭わない」
それが、こんなにも素晴らしいことなんだと知った。

嬉しかった。
本当に、やってよかったと思った。

その嬉しさを噛みしめながら過ごした、40代だった。

だがしかし、
50代に差し掛かる頃、
「え?」と思う出来事が起こることになる。

つづく