小学生のころ、私は団地に住んでいた。
周りには子どもがたくさんいて、毎日誰かと遊んでいた。
姉は人気者だった。
頼りがいがあり、
足も速く、
スポーツ万能で、
学級委員もやっていた。
何をやってもパーフェクト。
私は姉とは違い、ごく普通だった。
でも「姉の妹」というだけで、
自然と友達は多かったように思う。
今振り返ると、
私と仲良くしていれば
姉にも近づける、
そんな存在だったのかもしれない。
やがて姉は中学生になり、
団地の子どもたちの輪から離れた。
私は相変わらず遊んでいたけれど、
どこか違和感を感じていた。
何に対しての違和感なのか、
当時はわからなかった。
でも、ある日ふっと、
みんなといるのが急にしんどくなった。
楽しいはずなのに、
なぜか疲れる。
それよりも、
1人でいるほうが楽だと気づいた。
ちょうどその頃、
団地を出て戸建ての家に引っ越した。
同じ町内ではあったけれど、
登下校の道も少し変わり、
毎日遊んでいた友達との距離も
どこか遠くなった。
淋しかったのかもしれない。
だからなのか、
私は田んぼの土手に寝転がり、
ただ空を見上げるようになった。
何を考えていたのかは覚えていない。
でも、
小学生のくせに、
どこかで「1人でもいい」と
悟ったような感覚があった。
大袈裟かもしれないけれど。
遠い、遠い記憶。