もう憧れない

若い頃、会社にそれはそれは完璧な先輩がいた。

仕事ができて、
頭も良くて、
顔も美人で、
スタイルも良い。

今で言うなら、
“ハイスペック”というのだろうか。

私は正直、羨ましかった。

「天は二物を与えず」と言うけれど、
二物も三物も与えるんだなぁと
本気で思っていた。

だけど、
年齢を重ねて思う。

そういう人は、
そういう人で大変なのかもしれない。

常に注目され、
期待され、
見られている。

それが普通になっているのかもしれないけれど、
もし私だったら、
きっと落ち着かない。

羨ましいようで、
実は私には重たい。

これは負け惜しみではない。

私は私でいい。

完璧じゃなくていい。

羨ましがるより、
自分の場所で静かに立っているほうが、
私は楽だ。